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2019.1/12

ニューヨークでの生活

1958年で渡米し、その後約40年間在住することとなるニューヨーク。川端実にとって、どのような場所だったのか。そんなニューヨークでの生活について、彼自身こう述べています。(川端実「パリよりニューヨークが」『芸術新潮』1962年12月、談話)



「ポロックやデ・クーニングがでて、ニューヨーク・スクールでの活躍を耳にするようになって、なんとなく面白い雰囲気が出てきた戦後のアメリカ画壇をこの目で見てこようと出かけたまま、つい数年を過してしまった。

(…)当時、一九五八年ごろは、いわゆるニューヨーク・スクールといわれた抽象表現主義の最盛期で、現代アメリカ展がヨーロッパを一巡してセンセーションを起こしたあと、ニューヨーク近代美術館で公開されたいた。

あの展覧会のヨーロッパでの反響、評価は国によってまちまちであったが、私はやはり、強烈な印象を受けた。

この前に立つと、スケールの大きさ点でもわれわれ日本の作品は少し力なく思えてしまうし、手際のいいフランスの抽象画家さえも工芸品に見えてくる。あまりにも絵画的であるフランスの作品は、間が抜けていて空間のある生き生きとしたアメリカの作品とならべると、小味なものが先に目についてしまうのである。

(…)それらの張りのある作品を見て、これはえらいところへ来てしまったと、いささか刺激の強さに打ちのめされるような感じだったが、また同時にやりがいのある土地に来てよかったとも思ったものである。(…)」

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