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2013.8/6

三徳山三佛寺 投入堂

友人に誘われて、かねてより行ってみたかった、三徳山へ出掛けて行った。目指すはもちろん三佛寺投入堂。麓の本堂から投入堂へ続く参道には、修験の厳しさを偲ばせる難所が続きます。下調べも十分しましたが、想像していた以上に厳しいものでした。




本堂横参拝入り口


かずら坂、くさり坂を登ると、ようやく文珠堂が現れます。



参道はこのような感じです。奥にかすかに見えるのは最初の目的地の文珠堂です。ここまで約30分程だと思いますがすでに持参したガーゼのタオルは汗でビショビショです。



文珠堂からの景感です。建物自体は室町時代に建てられたそうです。回廊からは人工のものは一切見られません。回廊自体の幅は、一メートル位しかありません。万が一落ちたら命はありません。



地蔵堂、鐘楼堂、を通り、納経堂です。(写真は納経堂)



(投入堂、奥は愛染堂)

投入堂全面は断崖で近づく道すらない垂直な崖に、浮かぶとも建つとも表現し難い優美な姿をかもしています。平安時代後期の作で現存する神社建築では日本最古ともいわれています。京都清水寺と良くにてますが,ずーっと以前の建築です。この中に近年まで、1168年に制作された事が確認されている日本最古の木造蔵王権現をはじめ7体の蔵王権現が祭られていたんですね。




投入堂内の蔵王権現像はこのように配置されていたそうです。


中央が投入堂の本尊として安置された木造の金剛蔵王権現像
現在は他の六体と共に三佛寺の宝物殿に安置されております。本尊の蔵王権現は、近年の調べで、仁安三年(1168年)作、運慶、快慶の師である、康慶の作とされております。


蔵王堂 参拝のお札です。

 
下山するまで約2時間程ですが、深い山並に抱かれ、険しい崖に立つ奇跡のお堂は平安時代から伝わる信仰の証しで、十二分に魅了してくれます。私は登り始めが最も険しく感じました。これも以前登っていた友人の助言ですが、ワラジの着用をお勧めいたします。スニーカーや登山靴では滑って登りにくそうな人を何人も見ました。下りはワラジの花緒がすれてとても痛く、皮もむけてしまいますのでワラジと共に、足袋もあった方が良いかもしれません。投入堂は登って行く途中、一切見えません。それがまた、これからどのぐらい続くんだろうと、不安にさせますが、それだけに登りきり、曲がった途端、目の前に投入堂が浮かんで見えた時の感動は、言葉では伝え難い物です。今回の修行道登山は四名で行きましたが、友人達が一番年長の私の事を気ずかってくれた事により達成できたような気がいたします。
又、下山して、三佛寺の米田住職から、三徳山の歴史や宝物についてたいへん貴重なお話を伺えました。米田住職はたいへん気さくな人柄で「三徳山に来て、手を合わせて頂くだけで有り難い」と話されていた事がとても印象に残っています。
もう少し、体力をつけて、次回は紅葉の季節に再訪したいと思っております。最後になりましたが投入堂の由来は慶雲三年(706年)に役行者が法力を持って岩窟に投げ入れたといわれ、以降「投入堂」と人々は呼ぶようになったと伝えらているそうです。
蔵王権現は、インドに起源をもたない日本独自の像です。役行者が山中の厳しい修行によって感得された神の姿とされております。








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