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2016.6/30

李朝瑠璃印刻草花文瓶

李朝の清々しい瑠璃の瓶です。
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李朝は染付で絵付けをした物が多いですが、瑠璃の物も多いです。
青く発色する呉須をただひたすらに塗ったものと、印刻彫塑して呉須をかけ、濃淡で文様がはっきりと浮かび出るものとあり、刷毛目が水の流れのようにも見えます。

もともと、貴重であった呉須がたくさん手に入るようになったとはいえ、まださすがにどっぷりと器ごとくぐらせることは適わなかったのでしょうか、刷毛で塗りあげたからこそ生まれた景色がとても美しいですね。
どっしりとした胴体と、しっかりとした首作りに瑠璃の色合いがとてもよく映ります。

その瑠璃の瓶の口縁にソゲがありましたので、金繕いをしました。

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丁度、口縁部にぐるっと剣先文様が入っていたので、漆で繕って金を蒔いた後、模様が続くように、もう一度、漆で線描きをして金を蒔いています。

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始めは均一な細い線で描けたのですが、なんだかしっくりこなくてやり直し。
都合が良いことに、李朝の素朴な元の線のお陰で、あまり神経質にならずに出来上がりました。これが青海波とかになったら、どんなに大変なんでしょう。
昔の蒔絵の職人さんの緻密さに改めて頭が下がります。

スタッフブログ R.K

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