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2015.5/2

李朝白磁水滴 仕覆

数ヶ月前に、お客様にお買上げ頂きました水滴。
持ち帰られて程なく、持ってこられました。

「実は……」と、
そっと出されるので、何かあったのかとドキドキしていましたら
「仕覆をかけて欲しいんですけど……」

元来、仕覆とはお茶やお香等の道具にかけるものです。
うちでは全部にかける訳にはいきませんが、酒器や水滴などの好みの物にも仕覆を作っています。
それは、初めから仕覆をかけようと思っているものもあるのですが、
撫でさすっているうちに、「やっぱり、これにも仕覆を作っておこう!」
と後から思う物があります。

このお客さまも、きっと家で矯めつ眇めつ眺められているうちに、
そのような気持ちが湧き上がって来られたのでしょう。
数寄者の道を一直線に歩まれています!
喜んで作らせて頂きました。



水滴は硯で墨をする時に少量ずつ水を垂らす為に、空気穴と水を滴らせる穴が開いただけの物と、
このように小さな匙で水をすくったものがあり、化粧や膏薬作りに使われた物もあるようです。
使い分けは特にわかりませんが、この李朝白磁水滴は後者で小品ですが、
白磁の肌がとても良いものでした。
同じような物を交換会で手にすることもあるのですが、
肌合いの良いものにはなかなかお目にかかりません。
良いものをおすすめ出来たと思います。



19世紀のインドネシアの古裂に、白茶の緒で作ってみました。
柄合わせも底から側面にかけて上手くつながりました。



さーて、お気に召して頂けるでしょうか~!?

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