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2012.1/20

李朝螺鈿硯箱



韓国中央博物館で開催された高麗;李朝の螺鈿を皮切りに、柳 宗悦展、静華堂美術館の朝鮮陶磁展を最後に随分と李朝螺鈿を見る機会に恵まれた。元々朝鮮の螺鈿は数が少なく、特に18世紀以前の物は、市場には余り出ない。これらの展覧会も図録や他の美術館の蔵品で構成された内容でしたが静華堂美術館の展覧会に出ていた物は初見で、期間中三度も見に行ってしまった。さすがに岩崎家、高麗螺鈿までは、持っていないようでしたがやはり持っているんですね。初見の物が数点出品されていました。あと螺鈿ではないのですが華角貼りの箱は大変魅力のある物でした。



写真の李朝螺鈿箱は17世紀~18世紀のもので、李朝絵画や陶磁器にも共通した図柄が散見されます。木地の漆も枯れて飴色です。貝は鮑の厚貝を使用していて、研ぎだす前に磨いています。一度、貝が一部分取れてしまい、相談した職人さんが驚いていたのを思い出しました。先日も世界遺産に登録された中尊寺を紹介するテレビ番組で金色堂の螺鈿の厚貝を一枚、糸鋸で削ると手が痛くなると文化財研究所の方が話されていました。中国の螺鈿は、ほとんど薄貝を使用し、カッターの様なもので形を作るので繊細な図柄が出来ますが朝鮮の螺鈿は19世紀になっても厚貝です。
余談になりますがこの螺鈿箱の時代は現在と違い、蝋燭です。暗闇のなか、蝋燭の光だけで見る螺鈿は又違う
美しさです。


[売約済]

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