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2012.4/25

李朝鉄砂徳利


東京国立博物館蔵品(廣田不狐斎寄贈)

ただ今、開催中のボストン美術館展に出かけて行きました。
丁度花見シーズンも過ぎ、ゴールデンウィーク前と言う事もあって、比較的会場も空いており、とても良く観賞出来ました。
本来の目的の観賞という意味では、ここ最近の東京国立博物館の販促のしかた、特に写楽展から続いた動員方法に不満もありましたが、今回のようにゆっくり名品の数々に触れるとそのような不満も薄れていきます。

国立美術館でなければ出来ない充実した企画や展示作品の内容ですので、多少の個人的な不満は我慢しなければなりません。
又、これだけの企画となると莫大な金額がかかると思いますので、大勢の動員は仕方のない事ですよね。
今回のボストン美術館展は無論すばらしい内容でしたが、丁度、本館で「酒宴の器展」も開催されており、私共の店でも扱うような作品が展示してあり、個人的にも好きな分野でもあるので非常に親しみを感じながら拝見しました。

この企画展の作品はほとんど廣田不孤斎の寄贈品で構成されており、その中の一点が上記の写真。民窯の17世紀 李朝鉄砂の徳利です。
李朝民窯は自由奔放、天真爛漫な絵付けが魅力です。
当店に偶然にも同じような絵付けの徳利があり、このような絵付けは絵心の無い陶工が窯場近くの草花か、何かを絵付けした物で、偶然に出来た抽象文様だと思っていましたが、もしかしたら同じ陶工の手による、意味のあるものかも知れないと思うと、300年以上前のロマンを感じました。
ちなみに盃は、15~16世紀 李朝鶏龍山絵刷毛目です。このような形の盃は類品の少ない珍しいものです。



当店所蔵の17世紀李朝鉄砂徳利 h19.0cm

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