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2013.7/6

李朝鶏龍山片口


李朝鶏龍山片口  粉引き盃                 片口 売約済み


古美術の中でも特に酒器を好む人は多い。多分これは一番身近に使える事と、育てる楽しみがあるからだと思う。酒器の好みは人それぞれ違うけれど、誰もが欲しがる数々の物の中に鶏龍山がある。特に最近は冷酒や焼酎が好まれる為に片口が人気ですが、数が断然少ないので、中々市場に出て来ません。

骨董商になって数十年になりますが、このように綺麗な絵刷毛目の鶏龍山の片口は初めての出会いだったので当然欲しくなり、仕入値も当然高額になりましたが入手することが出来ました。いつも夢中になるような物が市場に出ると、「チャンスは一度だけだ」とか、「自分で持っていれば良い」などと言い聞かせては仕入れをするのですが、そのような物ほど手元から離れて行きます。

僕ら商売人はコレクターではないので売らなければ生活出来ませんし、良い物が入手できれば、喜びをわかちあえる様なお客様には見せてみたくなるものです。
良く売れるので嬉しい半面、時には寂しい気持ちになります。
そんな時に有名なコレクターの「一点でも売ったらコレクターでは無い」という言葉を思い出し、商売人としての自覚をするとともに、手元から離れる寂しさを紛らわしております。




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