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2021.5/22

板状土偶【青花の会骨董祭2021】



板状土偶

縄文時代後期
H5.9×W6.3×D1.9(本体のみ)



腰にかけてのくびれが印象的な板状土偶です。
このくびれから、下部に向けて広がる形状であったことが推測されます。

板状土偶は両腕をほぼ直線状に広げたような十字形が特徴的な土偶です。
縄文時代前期から出現しており、中期頃に最も盛行し、一番多く造られた土偶といわれています。
東北地方北部や秋田県から新潟県にかけての日本海側から多く出土していますが、関東地方からも早期から出現していたことがわかっています。

大きさは10~20センチ程のものが殆どで、本作も小形のものであったと思われます。現状では青森県の三内丸山遺跡から出土した高さ32センチの板状土偶が最大級の大きさです。

板状土偶は小形なうえに、脚が付いていても自立しないようなつくりになっているものが多いのですが、それはお守りとして大事に肌身離さず持ち歩くことができるようにするためであったと考えられています。

本作下部には何らかの線刻が施されていたことがわかる曲線が見受けられます。
裏側には渦巻文様が入っており、これはよく土偶に散見される文様ですが、なぜ縄文人がこのような渦巻き状の文様を取り入れたのかに関しては様々な説があり、明確なことは未だわかっていません。
この謎の多さもまた、土偶の面白さをより一層深めます。

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Incomplete remains of Slab-formed Dogū
H5.9×W6.3×D1.9cm (The holder is not included)

Condition: Deficient some parts of the body. (Reference the product photos.)

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「小像 ー古代と現代ー」

青花の会|骨董祭2021 大塚美術ブース

□会期|6月4−6日(金土日)*4日は青花会員と御招待者
□会場|√K Contemporary(牛込神楽坂)

※6月5日12:00よりOtsuka Fine Art onlineにて出品作の一部を販売致します。
※骨董祭に関する詳細は、下記ウェブサイトからご覧ください。
https://www.kogei-seika.jp/seikafes/2021.html

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