Blog

2016.8/11

青龍

大塚美術

李朝龍壺(18世紀中期)     御売約済み


夏季休暇前の更新です。
このような龍文の大壺は李朝磁器の代表作でもあり、主に王室関係で使用されたもので以前はよく見ることがありましたが、ここ数年は極端に見る機会が少なくなったような気がいたします。
龍文は図柄として見栄えも良く、立派なので昔から人気があります。制作された時期も長く、李氏朝鮮時代の500年にわたって作られました。ただ15世紀~17世紀までの間は戦乱が相次ぎ、現在伝えられている数も数点ほどしかありません。
18世紀~19世紀の間に制作された作品が主なのですが、呉須の色や形姿に大きな違いがあります。画像の龍文の立壺は18世紀中頃のもので、呉須がまだ貴重だった為に呉須を薄めて使用しました。このことが、かえってこの壺の魅力になっていると思います。
18世紀後半から19世紀になると呉須もたっぷり使用し形姿も変化していきます。又、絵付け自体も画員というより、窯場に専属でいる絵付師のような人の手になることが多くなり、魅力も半減いたします。
この壺もコレクターから譲り受け、次のコレクターの方に納めさせていただきました。
前にも申し上げましたが、このようなことも古美術を扱うものとして、大切な仕事と思っています。

一覧へ戻る