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2019.9/25

2019東美アートフェア出品作品のご紹介2



織部吊るし文茶碗  桃山時代 高さ7.8cm 幅14.5cm 奥行11.9cm



国産の黒いやきものは、16世紀初期に美濃窯で量産された天目に始まり瀬戸黒を経て、黒織部に至る。

大胆な歪みやヘラ削り、意表をつくような意匠。その破格の造形に、かつて憧れた唐物の天目茶碗の影はもはやない。

織部に至って黒いやきものは完全に和様化された造形に昇華したのである。

「吊るし」文は志野や織部に特有の文様である。

一説によると、神聖な場所を標示し、その場所に悪霊や災厄の侵入を防ぐために村の出入り口などに吊るされた「勧請吊」に由来するという。

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