2011.8/31
李朝分院の陶片
先日、出光美術館の展覧会に行ってきました。
Skmbt_c20311081911150pdf_2 2011年6月28日(火)~9月4日(日)
「明・清陶磁の名品―官窯の洗練、民窯の創造」
この展覧会の見どころは、
厳選された中国官窯陶磁の名品を見られるところですが、
当時の民窯陶磁も同時に比較できるところが、私にとっては嬉しい点でした。
官窯と民窯では、明らかに違いがあるのですが、
中には捨てがたい魅力のあるものもあります。
私にとって身近な李朝陶磁においても、
それは同じことが言え、今まで出会った李朝を思い出しながら、
李朝との比較を楽しみつつ拝見しました。
出光美術館といえば、陶片資料室が有名ですね。
窓からの眺めもよくゆっくりと閲覧できます。
さて、
展覧会に出ているような官窯の陶片を見てみたいと思い、
引き出しをいくつも開けてみましたが、
あがりの良い官窯の陶片は、と言うとほとんどありません。
高麗・李朝の陶磁に関してもやはり同じで、
あがりのいい分院の陶片などは展示していません。
(もともと稀少なものですから、当たり前かもしれませんが)
陶片と言えど、優れたものにはなかなか出会えない。
ということなのでしょうか…
李朝分院の陶片の資料は、国内ではあまり見かけず、
時代考証がしっかりしていて、あがりも良いものを、となると、
陶片を探すよりも、器形をとどめているものの方が出会う機会も多くなり、
結果、専門店や美術館・博物館の蔵品で見る方が近道のように思います。
19世紀の李朝でも、ただ19世紀だ、というだけのものもあれば、
単に19世紀という枠には収まりきらないような優れたものもあります。
今回の展覧会では同時代の作品をたくさん見比べながら、
当たり前のことではありますが、
「古ければ良いと言う訳ではない」とあらためて思いました。従業員T