2019.2/2
Betty Parsons
ベティ・パーソンズ・ギャラリーといえば、ジャクソン・ポロックやデ・クーニング、マーク・ロスコを輩出したギャラリーとして多く知られているかと思います。
そのギャラリーの経営者が、ベティ・パーソンズ(Betty Parsons)。
実は、川端実とベティとのエピソードというのは、多く記録が残されているわけではありません。しかし、僅かながら残されている写真の中には、川端実がベティ宅に招かれているものなどがあります。
ベティは契約を結んだ画家をとても気にかけ、受け入れ、共に過ごしていたのです。故に、画家たちはのびのびと自分の作品作りに集中でき、良い作品を創り出すことが出来たのでしょう。
当時のアメリカの美術に強い影響をもたらした彼女は、先駆的なギャラリーの経営者であると同時に、ひとりの画家でもありました。
ベティは1977年のインタビューでこう述べています。
"When i'm not at the gallery, my own art is my relaxation. That's my gratest joy."
「わたしがギャラリーにいない時、自分自身のアートは息抜きなの。それがわたしの一番の楽しみよ。」
彼女がひとりの画家として過ごす時間が、彼女の鋭い感性を養い、そして川端実を含む多くの画家たちの革新的な才能を見出す力につながっていたのですね。
こうしたベティの鋭い感性や人柄もあって、ベティ・パーソンズ・ギャラリーはニューヨークで最も権威あるアートギャラリーのひとつとなったのです。
Betty Parsons
写真左:川端実 右:ベティ・パーソンズ
ロングアイランドのベティのサマーハウスに招かれて(Kwabata in New York 原田治 新谷雅弘著より)