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2015.9/12

鶏龍山 刷毛目暴れ盃



(工芸青花 第三号 掲載品)(売約済み)

骨董好きの好き者といわれた人達の間ではこのように暴れた鶏龍山刷毛目盃は、たいへんにもてはやされました。
昭和初期の窯跡発掘などが自由だった時代には、たくさんの発掘品が日本に持ち込まれ、陶片などを呼継ぎし、
盃や茶碗など道具として使用出来るようにしたようです。
現在では考えられないような莫大な量の陶片からの選別ですから、当然に魅力的なものが順番に拾い上げられていく訳です。
著名なコレクターの寄贈品として美術館に陳列するような物と違い、いわば参考品ですがそれだけに味があります。



益田鈍翁をはじめ、同時代を生きた好き者の間では「だれの盃が一番暴れている」とか「俺のはもう飲めないほど!」などと言って酒盛りをしたそうです。ほんとうに微笑ましい光景ですね。
だいたい自分の集めた骨董自慢は酒の席などでは嫌なものですが、盃だけは許されるようです。
画像の盃は大きさや手取りも良く、飲み口のあたりも抜群です。
酒が強い人には恰好のものらしく、酒豪に好まれようです。



(撮影 菅野 康晴)

青花 第三号では鶏龍山刷毛目の片口と組み合わせて掲載されております。

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