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2012.4/6

陶器の共直し


(御売約済み)
李朝の18世紀末~19世紀初の草花文の瓶です。この作品は購入時点ですでに、この映像のような状態でした。
この場合の直しとしての選択は、金や銀色の直しと下記の映像のような共色の直しがあります。金や銀などの直しですと破損部分だけで済みますが共色ですと、器物の色に合わせる為に多少破損していない部分にまで色を重ねて、馴染ませなければなりません。

ただし、見た目には破損部分が分からないので、目には優しく映ります。
最近のお客様の傾向としてはこの共直しが好まれますが、私達業者の市場などに、この共直し後の作品が出て来ると稀に、どこまで直しの手が入っているのか分からない物があり、購入するのを考えてしまうものまであります。
直しで最も重要な事は、簡単に、いつでも元の状態に戻せるということです。
よくベストの直しをお客様に聞かれますが、直し部分がすぐ解かり、他の部分に手を付けない、広げない、すぐ取れる、目立たない直しと答えます。意外ですがこのような直しが一番難しく、高度な為に高価です。
 李朝は直しを気にしていると良い物は買えませんので、直しがあっても本物で魅力的な物を購入してください。
よくある作品や贋物でわざと直しをしたものまで出まわっておりますのでご注意ください。

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