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2012.10/17

伊万里市松文猪口の仕覆


以前にこのHPで紹介した伊万里の市松文猪口。
UPしてすぐに、ずっとこの猪口を探していたというお客様にお買上げ頂いたものです。

しばらくして、仕覆を作って欲しいと再び持って来られました。
お客様御自身が探された古裂も一緒に。
あえて桐箱に猪口と同じ柄の市松、猪口には唐桟の一種を用意されていたので、あとは締緒と裏地をお任せ頂きました。良い柄の古裂に出会うとつい買ってしまいますが、特にこんな小さい市松は有りそうでなかなか無いものです。

桐箱は通常の仕覆で仕上げましたが、猪口は桐箱より少し簡素になっています。
簡素と言っても自分のレベルでは十分、四苦八苦、手間暇のかかることには変わらなかったのですが・・・
本来、お茶道具を保護する為に包むのが仕覆ですが、伊万里の猪口には仕覆ではない方が「”粋”というものじゃないかしら」という先生の助言でこの形に仕上げました。



底をきれいにたたんで器に沿わせています。
締緒には縞に入っている臙脂色を、桐箱には爽やかな新橋という名の緒を。
丁度良い細さの緒が無かったので注文したり、全部が揃って出来上がるまで随分時間がかかってしまいましたが、こうやって並んでみるとなかなかの出来映え。自画自賛です。
お客様には長い間お待たせしてしまったにも関わらず、とても喜んで頂けて良かったです。
こだわりの器に好きな裂をかける。とても素敵な楽しみ方ですよね。

従業員 R



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