2019.2/6
体験するアート
今回展示される川端実の作品はカラー・フィールド・ペインティングという表現技法が用いられています。
カラー・フィールド・ペインティングは、「色面絵画」「色彩による場の絵画」と訳されます。
抽象表現主義の中でも、大きく身体を動かし、激しい筆致で描いたアクション・ペインティングのポロックやクーニングらの線的な表現とは異なり、見る者を包み込むような大きく拡がる色彩(色面)によって、精神性の高い抽象画を描いたマーク・ロスコ、バーネット・ニューマン、クリフォード・スティル、モーリス・ルイスたちの作品をカラー・フィールド・ペインティングと呼びました。
カラーフィールドペインティングは、大きく拡がる色彩を体感して、何が描かれているのかを言葉で探るのではなく、意味にこだわらずに「感覚」や「感性」で見る、色彩や形を体験するアートです。
川端実はこの技法を用いてはいますが、生粋のカラー・フィールド・ペインティング画家ではありませんでした。というのも、以前ブログで今回展示予定のブラッシュワーク作品が戦後の彼の原点といえるとかきました。そのブラッシュワークとカラー・フィールド・ペインティングを融合させているのです。
この作風は1970年以降もほとんど変わらないのですが、流行や時代に左右されずに自らの作風を描き続けたところが、彼の一番の魅力だと思います。
自分の背丈より大きいキャンバスに描かれた、川端実が生涯をかけて追求し続けた独自の ”色彩” と、研究を重ねた ”ブラッシュワーク”。実際に目の前にすると、迫力があるのですが、大胆にみえて繊細さを感じ、奥行のある色が広がっています。
そんな川端実のアートを「体験」できるアートフェア東京2019に、ぜひおでかけください。
引用:アート/ART http://artprogramkt.blog91.fc2.com/blog-category-3.html