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2019.1/16

原点

彼自身、本当の意味での作家生活のスタートは戦後かもしれないと述べているように、戦後の川端実は、それまでの作風からまるで一度原点に戻るかのような筆の動きを重視したブラッシュワーク作品を残しています。



その作品をみると、日本の「書」が大きく影響しているようにうかがえます。戦後の日本は、森田子龍や井上有一はじめとする書家が積極的に画家と交流するなど、日本の「書」に注目が集まっていました。

しかし川端玉章を祖父にもち、父親も日本画家という家に生まれ育った彼の中には、どこか日本の「書」への憧れのようなものがあったのかもしれません。



生涯にわたり、様々な時代背景とともに多くの作品を残した川端実。

1958年以降の作品にもブラッシュワークを取り入れた作品が多く残されていますが、色彩と同様に最期まで追求し続けたブラッシュワークは、彼の原点といえるのではないでしょうか。

















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