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2021.5/19

女神坐像【青花の会骨董祭2021】



女神坐像

平安時代
H61.0×W37.0×D25.0㎝(本体のみ)



上半身のみにも関わらず、高さ61㎝を超える神像。
これほど大きな一木造りの女神像は、現存するものの中でもそう多くはありません。

長い間野ざらしとなっていたのか、風化した姿の中にも、僅かに視線を下に落とした静かな表情が良く残り、そこはかとない威厳を感じさせます。
元々施されていた白化粧がところどころに残り、その白さが清らかです。

髻を束ね、両肩に髪を垂らした姿をしており、衣がどのようであったかも推測することができます。右手の角度から想像すると、元は片膝をついた姿勢だったのか、はたまた両手を体の前で合わせた姿勢だったのか…。失われてしまった手から下がどのようであったを、微かながら伝えています。

具現化しすぎないという特性上、素朴な作りのものも多い神像は、時代特定も難しいのですが、本作は丸みを帯びながらも引き締まった表情などからみても、平安時代後期頃のものではないかと考えられます。

小さく愛らしい神像にも魅力がありますが、風化した姿の中に尊厳を讃えた大型の神像には、親しみ以上に畏怖の念を抱きます。

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Shinto sculpture, Goddness
Heian period 12th century
H61.0×W37.0×D25.0㎝(Body only)

Condition: The whole of the body has weathered.
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「小像 ー古代と現代ー」

青花の会|骨董祭2021 大塚美術ブース

□会期|6月4−6日(金土日)*4日は青花会員と御招待者
□会場|√K Contemporary(牛込神楽坂)

※6月5日12:00よりOtsuka Fine Art onlineにて出品作の一部を販売致します。
※骨董祭に関する詳細は、下記ウェブサイトからご覧ください。
https://www.kogei-seika.jp/seikafes/2021.html

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