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2024.1/22

袋物を作るということ


御物袋 「ごもつぶくろ」 と読みます。
仕覆と同じように道具を守る袋ですが、仕覆は茶入茶碗に添い、お道具と共に茶席で拝見することが出来ます。
一方、御物袋は基本的には表に出ず保管の際に道具を守る袋です。
仕覆のように底を付けず、ダーツも縫わないので広げると平面です。
とは言え一品一品採寸して製図するので、やはり仕覆と同じく二つとして同じものはありません。その平面から包むので、浅い器等を包むのにもしっくりきます。


底もダーツも無いのですが、その分、悩ましいのがつがり糸です。
御物袋の緒を通すつがり糸は途中で継がずに一本で仕上げるので、長さが必要になります。
今、製作中の鏡の御物袋のつがり糸です。
柱の上から撚った三本の糸を垂らして、今度は逆方向に一本に撚り合わせます。




きれいにコブも出来ずに撚り上がったので、この後、熱い蒸気をかけて定着させます。
買えば早いのですが、包む物や裂に合わせて色や太さを合わせるのは、楽しい作業です。
本来、仕覆は金襴緞子や間道等の名物裂、御物袋は縮緬や羽二重を用いたお茶道具の為の袋物でしたが、最近はそれ以外の物を様々な裂で自由に包んで楽しむようになってきました。

大切にしたい気持ちから生まれた袋物ですから、大切にしたい好きな物を好きな裂で自由に包む。それはとても素敵で密かな楽しみだと思いませんか?





製作中の御物袋に収まった鏡は「仕覆のすすめ -骨董と裂の愉しみ方-」に展示を予定しております。
ご来場いただけますと幸いです。

製作者 笠原玲子

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