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2013.4/5

李朝彫三島魚文扁壺



(御売約済み)

長い間、当店のコレクションに収まっていた、三島魚文偏壺が手元を離れることになった。

この作品は随分前に日本に入っており、古くは昭和8年の文明商会主催の朝鮮美術工芸展覧会図録に紹介され、その後、有名な古美術店や著名なコレクターの手に渡り、縁あって当店が所有することになった作品です。里文出版から1979年に「わが李朝」という題名で臨時増刊され、昨年また再出販された、同名の専門紙の1頁目に掲載されている作品で掲載文は以下の通りです。

『どっしりした座り具合が、何ともいえず愛嬌がある。巨漢大地でシコを踏む地ひびきのようなものを聴きとることができる。魚文彫り方も緩急自在、深い浅いが、うまく織りなして、凛たる風格をそなえている。口が肩の中心からはずれて、以外に小さいのも、全体のバランスを一段と動きのあるものにしている。ヘラの削り方も白釉の下から高台にかけて強烈な、且つ思い切ったやり方をしている。
写真ではほんの一部しか理解していただけないのが残念である。「李朝に始まって李朝に終わる」古陶磁の愛好家はよくこういうが、”自慢に始まって自慢に終わる〟も又楽しき哉である。』

以上が前所有者様の本の中の文章です。本当に愛好家らしい自慢で嬉しくなります。私共もこの作品を店頭や展示会等に出した事はないのですが、このような方の所に収まれば良いと考えており、この度、理想の所に収めさせて頂きました。

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