Blog

2015.6/9

李朝青花六角水滴 仕覆


李朝水滴の仕覆のご注文を頂きました。
画像では普通の大きさに見えるかもしれませんが、実はおよそ幅3cm、高さ2cmの八角形。
これほど小さいものを作るのは初めてです。



小ささが物差しとの比較でお分かり頂けるでしょうか。
あまりに小さいので、表地と裏地を合わせる時、口の山型にいくらコテをかけても、
いつもの手順だと一直線になってしまいます。ひと手間をかけてやっと型紙のような曲線が。
(曲線の画像を撮り損ねてしまいました)

これからしばらく、このサイズは勘弁!と思わせてくれたこの水滴。
でもこの水滴に仕覆を着せたいとおっしゃって頂いたので頑張ることが出来、
そしてやっぱり出来上がった時はとてもうれしいもので、また、作りたいと思ってしまうのです。

緒は京都の伊藤組紐店さんにお願いし、細く組んで頂いたものです。
白ではなく淡いグレーの細い緒が、このサイズにとても合っていると思います。






水滴は墨を硯でする時に使うものということは一般的によく知られていますが、他にも化粧等にも使われた物です。
指で穴を閉じたり開けたりしながら微妙な水の量を調節する用法を思うと、
この小ささは細い指を持った両班の奥方や令嬢が用いて化粧したのかもしれません。


一覧へ戻る