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2021.5/14

田嶋健太郎〈瑠璃〉【青花の会骨董祭2021】

「小像 −古代と現代−」と題した今回の企画展には、古美術だけでなく2人の現代作家の作品も展示いたします。



岩絵具を用いて絵画を描く田嶋健太郎。

弊店でも過去2回の展覧会を行ってきました。



岩絵具特有の粒子感のある画材が織り成す色彩は、複雑でありながら澄んでいます。その色面を背景として対象物をぽつりと描く構図が、田嶋絵画の特徴のひとつです。



〈瑠璃〉

田嶋健太郎

2020年

180×180㎜





〈瑠璃〉と題されたこちらの作品は、美しい群青で描かれた丸い薬壺が描かれています。群青の色には他の何にも負けない強い混じり気のなさがありますが、壺の輪郭は曖昧で、さらさらと溶けていくような印象です。



田嶋の絵画に描かれる物は人や物など様々ですが、その絵画には静けさが漂い、また描かれたものとの心理的な距離のようなものを感じさせます。

「ふと降りてきたものを描いている」と述べる作家ですが、それは作家自身の心に浮かんだ像であり、ともしびのようなものなのでしょうか。



イコンのような田嶋の絵画。

弊店での個展は今年の冬を予定しています。個展に先立ち、青花の会骨董祭にて古美術との取り合わせの中でお楽しみ頂けたら幸いです。

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