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2019.1/18

白い壁







今ではほとんどの美術館で当たり前にみられる白い壁。



なんとこの白い壁を最初に使ったのは、川端実がニューヨークに渡って最初に個展を開き、また専属画家として契約を交わしたギャラリーの経営者、ベティ・パーソンズだったのです。



1946年にオープンしたベティ・パーソンズ・ギャラリー。

1948年にポロックの最初の個展が行われたのですが、実はこの時にベティは白い壁を使用したのでした。

以下はベティの言葉。



「ギャラリーに無地の白い壁を使ったのは、私が最初なのです。なぜかとおっしゃるの?抽象表現主義大作を展示することになって、ギャラリー自体の姿についても考えてみました。その頃の画廊の多くは、壁をベルベットで覆い、ヴィクトリア王朝風の装飾を施していたのです。私はそんなものは願い下げにしたいと思いましたし、画家たちも私の意見に賛成してくれました。ジャクソン・ポロックの大きな油絵を展示する時、その背景となる壁がビロードでは恰好がつかないじゃありませんか。白い壁はとても引き締まった感じがします。私は画廊の中に、何も置かないことにしました。家具もなし。椅子一脚か、それともベンチを一つ。それだけです。できるだけ飾り気のない、簡潔なものにしようという考えでした。それが受けたのですね。」



そんな彼女については、また別の記事で。

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