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2013.3/12

織部 弥七田織部展

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(土岐市美濃陶磁歴史館)

ご同業の先輩業者から現在名古屋周辺で織部の展覧会が三か所同時に開催されていて、未公開の作品や陶片が多数出品されており、大変に勉強になるし、美味しい鰻屋さんがあるので一泊で見に来ないか?と誘われ出掛けて行きました。
まずは土岐市美濃陶磁歴史観へ行き織部の展覧会へ。ここでは初見の作品は余り出ていませんでしたが出土品にみる織部が沢山でており、大変勉強になりました。先月東京の五島美術館で拝見した黒織部のわらやがもうこちらに来ておりました。




巴屋の看板がひっそりとひとつ。この店がうわさの鰻屋です。





川岸にあり、風情たっぷりな小部屋に案内されました。普段ご飯は、注文が入ってから炊くので少々時間がかかるそうですが事前に頼んでくれていたので、待つ事30分程で美味しい鰻が運ばれてきました。余りに美味しかったの で映像を撮るのを忘れてしまいました。
昼食後、可児郷土歴史館へ、弥七田織部展を拝見しました。大萱に所在す る弥七田窯の作品と、出土陶片だけの展示ですが従来、私達が黒織部や志野織部などと簡単に言っている様な物まで弥七田窯で出土されておりました。






(長い階段を上がると荒川豊蔵陶磁資料館)

その後、大萱の山の上にある荒川豊蔵資料館へ行きました。豊蔵の窯場跡に立つ小さな資料館です。

かつては瀬戸製とされていた美濃陶磁器は、豊蔵の陶片収集・発掘によって現在は大萱製であることが定説となっています。こちらに陳列されているたけのこ文の陶片は、その時偶然に出土発見されたものですが、これによって現在の定説が生まれました。





(豊蔵資料館の玄関)




(現代美術家の奈良美智の陶器のオブジェ)

つぎの日は愛知陶磁美術館へ行き、瀬戸を中心とした、東洋陶磁器の名品の数々を拝見してまいりました。この美術館は現代の瀬戸、美濃の作家の作品も陳列されています。

ミュージアムショップ横の部屋には桃山時代の美濃陶磁器の陶片を自由に触れられるような工夫がしてありました。初めて訪れた瀬戸、美濃地区ですが日本では古来から現在に至るまで陶磁器産業の中心のような地域です。四方を山で囲まれており、どのくらいの窯場跡があるのかわかりません。今回の旅では数々の出土品を拝見し、伝世している完器にしかない文様や、逆に陶片でしか発見出来ていない文様などを見る事ができました。







(各美術館図録)

本当に有意義な一泊二日でした。会場、三か所は比較的に近いのですがやはり地元の地理に詳しくないと迷います。案内をしてくださった先輩業者さんに感謝です。うなぎは関西風で蒸していないタイプです。佃煮風で他には余り無いと思います。何より、風情がありますよ?

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