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2012.6/1

李朝の酒器



( 徳利 酒盃共に  御売約済)


骨董趣味の一番の愉しみは、生活のなかで使えて楽しめる事です。
我々日本人は古くから器やお道具には敏感で、ことに食器となると様々な嗜好があります。

店では酒器の取り扱いも多く、また酒器の好きなお客様も多いので、「普段はどの様な酒器をお使いですか?」とよく聞かれます。私自身はお酒があまり飲めないので、普段使いと言うより眺めている方が多いのですが、それでも気分だけは酔ったような気持ちにさせてくれる物が好きです。だいたい、何んでも良いなら骨董屋にはならなかっただろうし、コレクターもまた然りです。

数年前になりますが、骨董好きの仲間と温泉旅館に酒器を持ち込み、品評会を兼ねた飲み会をした事があり、とても楽しかった思い出があります。酒の席での自慢話はたいてい面白くないのですが、酒器の自慢だけは微笑ましい気分になります。
時々、一緒に食事をさせて頂く尊敬する先輩業者は、素晴らしい唐津から明治硝子の盃までをお持ちで、いつもその日の気分で酒器を持ち歩き居酒屋などで使われ、とても楽しそうです。私は泊まらないかぎり絶対に呑めないのですが、そのような酒器でなら少し拝借して一杯呑みたい気分になります。

画像の徳利は最近お客様から譲って頂きましたが、随分長い間、愛玩されていたようです。私も暫く愉しみ、6月16~17日の東京美術倶楽部で催されるTokyo Antique Fairに数点の酒器や新入荷の物と共に出品いたします。

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